1.【壁量計算】
建築基準法で定められている最も一般的で多くの会社が採用している計算方法です。
壁の量だけで、地震や台風などの横の力(水平力)によって建物が倒れないかを検証する簡易的な計算方法。(費用はタダ)
*法律では木造2階建て以下かつ500㎡以下はこの「壁量計算」のみでOKとされている。
2.【性能評価(品格法)による壁量計算】
耐震等級2又は3を確保するために壁量計算に加えて、「床・屋根倍率の確認」と「床倍率に応じた横架材接合部の倍率」を検証した計算方法。(費用は10万円前後)
*長期優良住宅や、ハウスメーカーはこの計算で耐震等級を導き出しているケースが多い。
3.【構造計算(許容応力度計算)】
地震や台風路に建物にかかる水平力の検証に加え、建物の自重や荷重の鉛直力(上から下にかかる力)に対して全ての柱や梁の検証を行い、建物の安全性を確かめる計算方法。
構造計算の計算資料(構造計算書)はA4の用紙で数百枚になります。(費用は20万円〜)
*構造計算(許容応力度計算)では「性能評価(品格法)による壁量計算」で確認された耐震等級よりもさらに信頼性の高い耐震等級の表示が可能となります。
◆構造計算(許容応力度計算)とは
許容応力度計算(ルート1)
【まず建物にかかる重さを調べる】
1.建物の重さを調べる(建物の自重)
2.建物の床に乗る重さ(人や家財道具)を想定する。(積載荷重)
3.雪が積もった時の屋根にかかる重さを考慮する。 (積雪荷重)
4.グランドピアノや大型金庫や水槽など特に重いものの重さを考慮する。(特殊荷重)
5.全部の重さを合計する。(建物自重+積載・積雪荷重+特殊荷重)
【建物にかかる重さが力としてどう伝わり、その力に耐えられるかを調べる】
1.建物にどのような重さ(下向きの力)が伝わるか調べる。
2.伝わった重さに材料が耐えられるかを調べる。
3.地震が来たときにかかる力を建物の重さから換算する。
4.台風が来たときにかかる力を調べる。
5.地震や台風が来たときに建物にかかる力(横向きの力)に材料が耐られるかを調べる。
許容応力度計算(ルート2)
【ルート1の計算結果に基づき次の計算を行う】
1.地震が来たときに、建物がどのくらい傾くのかを計算する。(層間変形)
2.台風が来たときに、建物がどのくらい傾くのか計算する。(層間変形)
3.建物の上下階の強度のバランスを調べる。(剛性率)
4.建物の重さと強度が偏っていないかを確認する。(偏心率)
*通常このルート2まで計算したものが「構造計算」と評価される。
◆構造計算チェックポイント
建物を総合的に計算し、把握した後に建物と一体になっている基礎の計算を行います。
まず、「A. 解析」と「B. 基礎計算」を行います。
その後、「1.鉛直荷重」 「2.風荷重」「3.地震荷重」の3点それぞれについて、「C. 層間変形」「D. 偏芯率」「E. 剛性率」をチェックします。
◆構造計算と壁量計算の比較